帯枕の種類は形だけじゃない? 素材が違う帯枕、どう選ぶ?
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こんにちは。
着付け&キモノナビゲーターのかほです。
はじめてさん&初心者さんがキモノを
楽しむお手伝いをしています。
着物姿と聞いて、誰もが思い浮かべるお太鼓姿。
お太鼓は気軽な場にもあらたまった場にも締めていけるとても使い勝手のいい帯結びです。シンプルでエレガント、帯の柄も一番しっかりと見せてくれるとても優秀な結び方なのです。
そんなお太鼓姿にあこがれて、「着物を始めたい!」と思われる方も多いよう。すっきりきれいなお太鼓の後ろ姿はついつい見惚れちゃいますよね。
そんなお太鼓結びに必要な着付け小物が帯枕です。着物を着る方なら一つは用意しておきたいものですし、着物が自宅にある方なら、同じタンスに一つや二つ、入っていることも多いでしょう。
この帯枕、いくつも種類があります。
その種類については以前もご紹介をいたしました。
好みのお太鼓の形によって、枕を選んでくださいというお話でした。
が、帯枕の種類は形だけではありません。作られている素材がいくつかあって、それぞれのお好みで選んでいただけます。
今日は帯枕の素材についてご紹介しますね。
本体部分の素材によって、固さや通気性が違います
一番オーソドックスなウレタンの帯枕。固さもしっかりあって、形を作りやすい
まずは一番オーソドックスなタイプ。着物屋さんで「ふつうの帯枕を見てください」といえば出してくれるものです。
枕の本体部分が「ウレタン」で台紙が付いたタイプです。しっかりとした固さがあって、帯と一緒に扱いやすいです。初心者さんには一番お太鼓の形を作りやすいのではないかと思います。
お値段の方も一番お手頃価格。初心者さんの「着付け小物セット」に含まれているのもこのタイプが多いようです。
どの帯枕がいいかよくわからない方はまずは一番基本のこのタイプがおすすめです。
固いと背中が疲れる方はソフトタイプの帯枕を
オーソドックスなウレタンの帯枕はしっかりとしていてお太鼓が作りやすいのですが、身体に固さを感じてしまうかもしれません。その感触がお好きではない方は柔らないタイプの帯枕がおすすめです。
まずは「ポリウレタン」で台紙なしのタイプです。
背中の感触が優しいので、背中が凝りやすい方にもおすすめ。
柔らかい分、お太鼓の形をちょっと整えにくいのが難点ですが、それも慣れれば大丈夫ですよ。
そして「観劇枕」という名の通り、背もたれにもたれかかって柔らかいので痛くないのが「低反発」です。
こちらのなによりの特徴はもたれているときには「適度な厚みにつぶれてくれる」こと。だから、長時間座っていてもらくちんです。
そして、立ち上がれば元の高さにもどってくれるから形崩れの心配もないですね。
観劇や映画はもちろん、長時間車や電車に乗って移動するときにもいいですね。
通気性のよい素材を選ぶもよし
夏や暑がりの方は少しでも涼しく着物を楽しみたいと思いますよね。
そんなときには、通気性の良い素材がおすすめです。
まずは通気性の良さでは定評のある「へちま」と「麻」
どちらも夏用の小物には定番の素材です。
今は冬でも暖房がしっかりと効いていることが多いので、夏用とはいっても冬に使用してもまったく問題はありません。
へちまは手作りをすることもできますが、適度な大きさとカーブを作るのがちょっと難しそうです。器用な方は挑戦されてみてもいいかも?
天然素材だけではなく、新素材の枕もあります。
それが「立体メッシュ」
へちまと麻は固めですが、こちらはやわらかめ。へにゃりと曲げることができるぐらいです。
通気性と好みの固さで素材をえらべるといいですね。
本体の素材だけじゃない、表地にもいろいろあります
さて、ここまでは固さや通気性といった、いわば、機能性ごとに見てきました。機能は主に帯枕本体の素材によって変わってきます。
が、ここからは、本体を包む布にもちょっと注目してみましょう。
帯枕といえば、薄い帯揚げのときに透けてもいいように、薄い色のものが多いのですが、それではつまらないという方には柄物もあります。
柄ものでは可愛すぎるけれど、白やピンクでは味気ないという方はカラーバージョンはいかがでしょう?
正絹の縮緬なので、触った感触もちょっとハイグレード。本体も木毛なので、適度な固さが使いやすいのです。
シックさがお好きな方には黒もあります。
もともとは喪服用ですけれどね(笑
ちなみに、わたしはが普段愛用しているのは
本体木毛、台紙付き、ロングタイプ、高さはふつう、ガーゼでくるんだタイプ
です。
適度な固さでお太鼓が作りやすく、ロングタイプなので肩もらくちんです。
たくさんあって迷ってしまう!そんなときには
素材もいろいろあって、形もいろいろあって、初心者さんはどれがいいのか迷ってしまうかもしれません。
まずはタンスの中に帯枕があれば、それを使っていきましょう。使っているうちに、「ちょっと硬い感じがするな」「小さくて背中に乗せるときにしんどいな」「普段はふつうの固さが使いやすいけれど、車でおでかけのときにはもっと柔らかいのがいいな」なんて感じてくることがあれば、そのときに変えていけばいいのです。
着物をたくさん着るようになってきたら、その時作りたいイメージやお出かけ先によって、枕を変えていくなんて楽しみ方をしてもいいかもしれませんね。
着付け教室【ふぇりちた】では「実践的な着物のお話」もレッスンでしています。