卒業式袴に合わせるのにおすすめの着物は?
こんにちは。
不器用さんのための着付け教室【ふぇりちた】のかほ、こと河西美穂です。
いよいよ卒業式シーズンですね。
卒業式と言えば、袴姿。華やかな卒業生のみなさまに眼福でございます。華やかで素敵ですね。
さて、この卒業袴。今では振袖(小振袖や中振袖)と合わせることが主流となっていますが、振袖以外の着物も合わせられるってご存じでしたか?
卒業袴の大本は大正時代あたりの女学生の通学スタイル。つまり、今でいう学校の制服です。だから、卒業式着用するのですね。
当時の女学生たちが袴に合わせていたのは、振袖でなく、もっと袖が短くて軽くて手軽な普段着の着物です。当時人気だったのは「銘仙」というかわいい柄なのに安価!という、今でいうGU的な着物です。現代で卒業式でしか着ることは少なくなったので振袖を合わることが多いのですが、もともとはもっと気楽なスタイルだったのです。
とはいえ、やはり、卒業式という記念すべき日。普段儀よりはちょっと格上の着物を合わせると素敵です。
振袖以外にどんな着物を合わせると卒業式にぴったりなのか、ご紹介しますね。
訪問着(付け下げ)
訪問着(付け下げ)も振袖と同じくフォーマルの着物です。
模様は袖と胸元についています(’裾の模様は袴スタイルではみえなくなります)
落ち着いた上品な袴スタイルになります。
色無地(家紋のついたもの
昔の女学生のちょっと改まったスタイルがこれ。模様なし、様々な色に染められただけに着物に家紋がついたもの。
明るいお色の着物だときちんと清楚ながら、華やかさもあります。
色無地はリサイクルでもたくさんでているので、気軽に挑戦できる着物です。
黒紋付(黒の色無地に家紋が5つ)
わたし的には一押し! 袴姿の最高峰だとわたしは思います。フォーマルな着物の中でも、大振袖と並ぶ最高格の着物です。
凛としたかっこいい袴姿になります。宝塚音楽学校の卒業式も黒紋付に緑の袴ですね。
一般的に喪服として着用されることが多いのですが、れっきとした格式の高い着物で、お祝い事にも着用できます。
袴姿について
最後にちょっとおまけ。
「袴姿は卒業式だけ」と思われている方も多いです。でも、上述のように袴姿は「女学生の通学着」です。普段着だったのです。
袴姿で友達と恋バナしたり、帰り道にはあんみつ屋さんに寄ったり……今の高校生と一緒(笑
では、なぜ、通学着に袴を着るようになったのか?
もともと、袴は男性のものでした。江戸時代には女性は袴を着用してはいけないなんて決められたこともあったほど。
そんな袴を女学生たちが履くようになった理由は「袴をはくと動きやすいから」。
当時の女学生たちも今の高校生とおなじように、自転車に乗ったり、友達とじゃれたりしていました。そのときに、裾がはだける心配のない袴姿はとてもお転婆しやすかったのです(お転婆って……わかる?笑
だから、もし、袴姿がかわいいなと思ったら、普段着の着物と合わせて、もっと普段から着てほしいなって思います。
袴着付けは普通の着物よりも簡単です。着物に気軽に挑戦してみたい人にもぴったりです。
袴の下に着物ではなく、ブラウスを合わせてもかわいいのよ。イメージは「和風のスカート」です。
卒業式以外でも、ご興味がある方は気楽に楽しんでみてくださいね。